身の回りの山や川などの地形とそれを形作っている岩石や地層を通して、地球の活動や大地の成り立ちを知ることができる“大地（ジオ）の公園”です。また大地の上で育まれた生態系や人々の歴史・文化さらに地元の特産物や郷土料理そして温泉など、大地と大地の上のすべてのものの関係について楽しみながら学べるところ、それがジオパークです。
　磐梯山を中心とする猪苗代町・磐梯町・北塩原村の３町村からなる磐梯山地域は、2011（平成23）年9月5日に、日本ジオパークに認定されました。この日は奇しくも、1950（昭和25）年に磐梯朝日国立公園が誕生した日と同日です。ジオパークの活動を通して磐梯山のすばらしさを世界に発信し、ジオツアーを中心とする観光を進めたり、学校教育や住民向け講座を進め、地域の持続的な発展につなげていければと考えます。
磐梯山ジオパークは、73ヵ所のジオサイト（見どころ）があります。ジオサイトには、それぞれに物語（ジオストーリー）があります。また、周辺のジオサイトが集まって形作るジオエリアがA～Jの10エリアでまとめています。一つ一つのジオサイトを巡り体感するのも良し、エリアでじっくり味わうのも良しと、ジオパークの歩き方は多様です。お勧めは、磐梯山ジオパークを熟知している経験豊富な“ジオガイド”と共に巡るジオツアーです。
【ジオサイト（見どころ）（１）地質・地形・景勝地（２）動植物（３）公園・庭園（４）産業（５）史跡（６）神社仏閣（７）文化施設】
Ａ　桧原湖北岸エリア　[１８８８（明治２１）年の噴火で生じた桧原湖と周辺の戦国時代遺跡]
Ｂ　裏磐梯湖沼群エリア　[岩なだれとせき止めで生まれた３００余りの湖沼群の地質と自然]
Ｃ　猫魔火山エリア　[磐梯山の兄弟火山、猫魔火山のカルデラ湖である雄国沼とそれを取り巻く外輪山]
Ｄ　磐梯火山エリア　[磐梯火山の主要三体と１８８８（明治２１）年の噴火で生じた壮大な馬蹄型カルデラ]
Ｅ　磐梯火山東麓エリア　[１８８８（明治２１）年の磐梯山火山による泥流の末端部]
Ｆ　磐梯火山南西麓エリア　[磐梯山信仰と結びついた会津仏教文化発祥の地「慧日寺」寺院群を翁島岩なだれ地形]
Ｇ　天鏡台エリア　大パノラマ景勝地と磐梯火山の扇状地に立地する史跡群
Ｈ　猪苗代中央エリア　[磐梯山南麓にある神社・城跡などの歴史遺産と１８８８年噴火の爪痕]
Ｉ　猪苗代湖北西岸エリア　[岩なだれによる堆積地形上に立地する史跡群]
Ｊ　猪苗代湖北東岸エリア　[白鳥の飛来する遠浅の湖岸と東北地方を横断する大断層、川桁断層]